報道に関するお知らせ及び報道関係者へのお願い。
平素、報道関係者の皆様には、事件報道を通じて何かとお世話になっております。
私たち殺人事件の被害者遺族は、家族を殺された『悲しみ・憤り・悔しさ・むなしさ』など等の中、同じような思いから縁があって、「宙の会」を結成し、励まし励まされ「絆」を深めております。
その「絆」の橋渡しをしてくれた方が、私たちの事件報道で、取材に見えられた記者の方々のお力添えでした。
私たちは家族を殺され、その時から同時に殺されたような状況に陥り、それまでの生活が一変致しました。
しかし、加害者は逃亡し続け、ある一定期間が過ぎると、何らの刑罰を受けないとういう時効制度に理不尽さを感じておりました。
その時効問題について、動き出している仲間がいることを、記者さんから教えて頂きました。
そして記者さんを通じて集まり、平成21年2月28日「殺人事件被害者遺族の会・宙の会」の結成に至りました。
その後の取り組みについては、数多く取材して頂くと共に大きく報道して頂き、時に各社それぞれに特集等を組んで頂きました。
その結果、時効問題について世論は大きく高まり、平成22年4月27日時効制度廃止の法案が成立致しました。
私たちは事件後、多くの取材攻勢の中で、憤りの矛先を記者の方に向けたこともありました。
お互いその立場になれば当然の流れだったと今は反省もし、一方、熱心な取材に関心もしております。
報道の使命として、真実の報道を強く抱くならば、事実を知るための深究心は深くなると思います。
他方、取材を通して、関係者に生きる希望を与えるきっかけを導いてることもあると思います。
時効廃止後、警察が未解決事件専従班の設置をしておりますが、関連報道の中で、その県警の未解決事件が10件とも20件とも報道されております。
その1件の遺族は、私たちが以前抱いていた『悲しみ・憤り・悔しさ・むなしさ』の中に居るのではないかと心が揺れています。
中には堪えながら、静かにしておいて頂きたいという方もいると思います。
しかし、今の私たちの経験から、名を伏せてることとしても、顔をお見せないこととしても、心を分かち合うことの出来ることを知らせてあげたいと思っております。
私たちが知り合ったように記者さんに、未解決事件の被害者遺族への取材の中で、遺族仲間の存在を何らかの機会に教えて頂ければ幸いです。
別頁の「殺人事件被害者遺族の会・『宙の会』ご案内」を手渡して頂ければ、「絆」の橋は架かります。
「絆」という字は、糸へんに半と書きます、糸の結びが、この世の中一人で生きるのではない、実は半人前という一人の結びつきが、希望に繋がる「絆」と信じております。
よろしくお願い申し上げます。
殺人事件被害者遺族の会「宙の会」